ホーム > 映画の前衛とは何か

映画の前衛とは何か

映画の前衛とは何か

情熱とは砂をも燃やすものだ。前衛はそこかしこに存在している。眼差しとは政治だ。語り口だけが現実だ。

著者 ニコル ブルネーズ
須藤 健太郎
ジャンル 文学・思想・芸術 > 文学・思想・芸術1
出版年月日 2012/10/20
ISBN 9784329004840
判型・ページ数 4-6・358ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1章 「前衛」とは何か 
1 前衛の歴史、前衛の論理 
2 映画というイデオロギー装置と表象の問題 
3 前衛映画の活動戦略 
第2章 前衛映画は何を使命とし、どう振る舞うのか 
1 映画に固有なものを解き明かす 
2 既存の設備や機材に疑いをもつ――新たな造形性のための技術開発、既製品の転用や拒否 
3 産業体制と同じものを使いつつ、その可能性を最大限に汲みつくす 
4 物語を語るための新しい叙述形式を生みだす 
5 世界を記録し、事物をあるがままに描写できる映画の特性を掘り下げる 
6 現象の切り取り方の規範に異議を唱え、その組み立てや組織編成において新しい形態を提案する 
7 社会が目を逸らす映像をあえて作り、流通させる 
8 政治闘争を先取りする、あるいはそれに同行する 
9 映画をほかの芸術(哲学、文学、音楽、絵画、ダンス、ビデオなど)と結びつけ、「芸術の超克」への道を開く 
10 過去と現在の映像の役割と機能を問う 
11 いま、ここに、多幸症的であれ、憂鬱なものであれ、もう1つの別世界を打ち立てる 
12 象徴の世界から脱け出す 
第3章 映画が爆発する―2000年代の映画 
1 ヴィルジニー・デパント&コラリー・トリン・ティ『ベーゼ・モア』― 快楽が押収されるときに 
2 ペドロ・コスタ『あなたの微笑みはどこに隠れたの?』&シャリフ・ワケド『チック・ポイント』― 革命的人文主義のルネサンス 
3 ムニール・ファトミ『神は私を許したもう』―映像は噂のようにゲットーを流れ…… 
4 アクラム・ザアタリ『この家のなかで』― 創造的記憶 
5 レベルデミュールの設立― 批評家の使命 
6 若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』―歴史的試練にかけられるとき 
7 レック・コワルスキー『カメラ・ウォー』― 個人は暴動のように 
8 アンドレイ・ウジカ『ニコラエ・チャウシェスク自伝』― 政治権力への憎悪を映像に込めて 
9 マリレーヌ・ネグロ『Xプラス』― 民衆を見せる方法をあらたに打ち立てる 
10 ジャン゠リュック・ゴダール『ゴダール・ソシアリスム』― 映像の共和国 
第4章 必読テキスト12 
1 レイモンド・ダンカン「労働の真の目的」、1912年 
2 衣笠貞之助『狂った1頁』(1926年)をめぐるインタヴュー、1975年 
3 ジャン・エプスタン『悪魔の映画』、1947年 
4 エドゥアール・ド・ローロ『ブラック・リベレーション』、1967年 
5 ジャン゠リュック・ゴダール「何をなすべきか?」、1970年 
6 足立正生『赤軍―PFLP・世界戦争宣言』冒頭、1971年 
7 レイモンド・カラスコ「アルトーのあとに」、1984年 
8 ハヴン・デ・ラ・クルス「デジタル十戒―映画なき国フィリピンのためのマニフェスト」、1999年 
9 リオネル・スカズ「張善宇の『バッドムービー』について」、2002年 
10 ルネ・ヴォーティエ「社会3画の映画のための定義と原則」、2003年 
11 フィリップ・グランドリュー「映画を教えることについての手紙」2009年 
12 ピーター・ホワイトヘッド「はじめに映像があった。しかしその前に、前衛があった……」、2010年 
第5章 正典に反対して
 
注 
フィルモグラフィー(年代順) 
参考文献 
謝辞 

解題 アヴァンギャルドとは何か、何だったのか  佐古節子 
1 花田清輝の失望 
2 語源と概略 
3 モダンであること 
4 誰がアヴァンギャルドを論じてきたか 
5 運動は流派ではない 
6 行動と闘争、ユートピアと実験 
7 芸術家の孤独と誘惑 
8 科学と政治 
9 ポストモダン的弛緩 
10 近代日本の問題 

後記 

このページのトップへ

内容説明

情熱とは砂をも燃やすものだ。
前衛はそこかしこに存在している。
眼差しとは政治だ。語り口だけが現実だ。
すべてを白紙に還元し、無限遠点に標的を定める。

フランスの映画研究の最前線がここにある。

ニコル・ブルネーズ氏 11月上旬来日

日程が決まり次第「お知らせ」でご案内いたします。

このページのトップへ

 
>