目次
――〈語ることDire〉と〈語られたことDit〉
第二章 別様に語られると
――第三者と正義
1 近さ・応答責任・身代り
2 第三者と正義
3 存在論の反復?
内容説明
本書に息づいているのは、願わくはレヴィナスをいちばん難しいところから理解したいという強い思いである。この思いが、『存在するとは別様に、または存在の彼方へ』の読解をその手引きにするというやや偏った選択の理由となっている。(本書より)
全体を貫くのものは、デリダが指摘してきた「レヴィナス思想のアキレス腱」ともいうべき言語の問題――レヴィナスが主張する「言語というものについて」およびレヴィナスが実行している「言語技法について」という二側面をもった意味での言語の問題である。
題名が『別様に』とあるのは、レヴィナス著『存在するとは別様に、または存在の彼方へ』(邦題『存在の彼方へ』)を読解する自由と解釈の可能性を示唆する言葉である。