市場なき社会主義の系譜
神の「見えざる手」からの訣別のために。世界市場が存続する限り、人間は市場の音階に合わせて踊り続けることを強制さ れる。
著者 | マクシミリアン・リュベル 編著 ジョン・クランプ 編著 角田 史幸 訳 藤井 真生 訳 |
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ジャンル | 歴史・政治 |
出版年月日 | 2014/07/30 |
ISBN | 9784329004918 |
判型・ページ数 | 4-6・314ページ |
定価 | 本体3,600円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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目次
緒論
第一章 19世紀における市場なき社会主義 マクシミリアン・リュベル
第二章 細く赤い糸――20世紀における市場なき社会主義 ジョン・クランプ
第三章 アナルコ・コミュニズム アラン・ペンガム
第四章 インポッシビリズム スティーヴン・コールマン
第五章 評議会共産主義 マーク・シップウェイ
第六章 ボルディーガ主義 アダム・ビュイック
第七章 状況主義 マーク・シップウェイ
内容説明
1980年代にはじまった新自由主義は市場=経済的自由競争を絶対化することによって弱肉強食の世界を生み出した。1991年にはソ連邦が崩壊し資本主義ロシアが出現し、92年には鄧小平が提唱した「改革開放路線」にもとづく「社会主義市場経済」が中国で導入された。
戦乱と難民の続出、差別と貧困の拡大が世界各地で生み出された。
世界的規模で進むこの事態に抗して、そこに踏みとどまり、市場の絶対的権力に屈服することなく「神の見えざる手」から決別して市場に決着をつけない限り“もう一つの世界”の可能性はない――このように考える人びとが1984年にイギリスに集まった。いま世界が直面している問題を、「市場なき社会主義(Non-market socialism)」の理念を掘り起こすことによって明らかにすることを課題にしてシンポジウムが開催された。1987年に出版された本書はこのシンポジウムの全記録である。