内容説明
ぎやどぺかどる 室町末期より德川初期に亘る切支丹文獻の代表書であり、村岡典嗣文學博士が、筆寫した大英博物館藏の稀覯書、慶長版邦譯本の翻刻である。 この邦譯は、當時邦語に堪能であつたスペイン宣教師の指導のもとに、教徒中の文筆の士がこれに當つたもので、新翻譯文學として、相當の成果を示し、國文學史上の異色である。 妙貞問答は?川初期の切支丹文獻の代表的なものである。本書は板行されたことは無く、筆寫をもつて當時の天主教徒に用ひられた傳導書。神宮文庫祕藏の寫本の翻刻である。 破提宇子は、妙貞問答とともにハピアンと稱した日本人の著。背教者の著作として貴重。 顯僞録は、德川初期に在日したポルトガル人ヘレイラ日本名澤野忠庵の著。前書と同じく、天主教を排斥したものであるが、本書も板行されていない。