目次
インタヴュー 1 ヴィルフリート・ヴィーガント 翻訳 明石政紀
インタヴュー 2 ペーター・W・ヤンゼン 翻訳 明石政紀
カメラの前の女性
――作家映画における女優の役割について ゲルトルート・コッホ 翻訳 粂田文
第19回ベルリン国際映画祭 ペーター・ハントケ 翻訳 渋谷哲也
翻訳解題 渋谷哲也
ファスビンダー論
二つの『ベルリン・アレクサンダー広場』――ファスビンダーとデーブリーン 平井 正
ファスビンダーと演劇 岩淵達治
鏡に向かって撃て――六八年世代としてのファスビンダー 初見 基
絶望とエクスタシー 斉藤綾子
すべて天の呪い給うところ――ファスビンダーとメロドラマ 四方田犬彦
ファスビンダー映画の音、またはナガラ族 明石政紀
炙刑に晒される者――ファスビンダーに照らして 足立正生
ファスビンダーの作劇 井土紀州
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの大いなる妄執 渋谷哲也
フィルモ・グラフィー
内容説明
戦後ドイツでもっとも過激な才能・ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。これまでほとんど知られて来なかった映画作家の全貌を紹介する注目の一冊。 |
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーは、戦後ドイツを代表する映画作家として世界で高く評価されていたものの、日本ではこれまでほとんど紹介されてこなかった。人間と社会の恥部を赤裸々に描きながら、スペクタクルの魅惑を浸透させる独自の作風。その早すぎる死から二十数年経った現在、そのアクチュアリティーは一層増しつつある。その稀有な才能の全貌を、当人や俳優たちへのインタビューや、各分野の代表的な執筆陣の評論により多面的に検証する。ドイツ、日本といった国境を越え、戦後‐映画‐政治の断面図が鮮やかに浮かび上がる画期的な一冊。 |