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向う岸から

向う岸から

ロシア知識人の宿命を生きた巨星が民衆・歴史・革命に底深い考察を加える独創的予言的作品。

著者 ゲルツェン
外川継男
ジャンル 歴史・政治
出版年月日 2008/03/31
ISBN 9784329020499
判型・ページ数 262ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

 1848年フランスを蔽った革命の嵐は、終局的に反動の勝利に終るが、この激動こそは「近代社会を両分する二階級における最初の大戦闘」(マルクス)であり、なかんずく六月事件におけるカヴェニャックの血の弾圧は、妥協を許さぬ熾烈な闘争の世紀の始まりを無慈悲に証明したのであった。
 当時イタリアにあって二月革命勃発の報を聞き狂喜したゲルツェンは、この「神聖な時」を目撃すべくパリに急行する。しかし、この時すでに革命の月桂冠は落ち、次第にブルジョア支配の本姿をあらわしつつあった。六月の恐るべき日々、指導的自由主義者たちは潰走し、彼らの失敗を自らの命で贖ってゆく無名の戦士の群を目のあたりにしたゲルツェンは、おのれの西欧信仰を激しく揺ぶられる。なにゆえ生は歴史の犠牲に供されねばならぬか? 果して歴史に客観的目的はあるのか? ヨーロッパが死滅してしまった以上、回生の希望をどこに見出すべきか?――絶望の底から問いかける本書を読んでネクラーソフは泣き、ドストェフスキーは絶賛した。ロシア・インテリゲンチァの宿命を生きた著者の重厚な予言的思索。

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