岩波書店「思想」6月号(2012年)がカール・クラウス特集
カール・クラウス Karl Kraus
思想の言葉 池内 紀 (4)
Ⅰ 時代
「書かれた見せもの芸術」の共演者と観客たち
――時代のなかのカール・クラウス―― 河野英二 (9)
ユダヤ人の自己憎悪 長尾龍一 (28)
カール・クラウスをめぐる偏倚の五章 平野嘉彦 (45)
「常套句があるところに深淵を見る術を学ぶこと」
――犠牲と国民教育―― ジャック・ブーヴレス (61)
三つの比喩
――ベンヤミンのクラウス讃―― 道籏泰三 (83)
Ⅱ 影響圏
カール・クラウスと新ウィーン楽派 山口裕之 (89)
デーモンの不平,デーモンの使命
――1930年代のカール・クラウス―― 小林哲也 (112)
オットー・ヴァイニンガーとカール・クラウス
――女性嫌悪から男性ジェンダーの再構築へ―― 川島 隆 (134)
外来語の救済
――初期アドルノにおけるクラウス的な主題をめぐって―― 竹峰義和 (152)
フロイト「とその顛末」
――カール・クラウスと精神分析,もしくはある敵意の掛け金―― ジャン=フランソワ・ラプレニー (173)
カール・クラウスをめぐる論争 ジグルト・パウル・シャイヒル (196)
根源の,耐えられない重さ 丘沢静也 (212)
Ⅲ 言語
「伝達」と「造形」のあいだ
──カール・クラウスの遺著『言葉』再読── 河野英二 (217)
「ことばが私を支配する」
――カール・クラウスの言語観―― 堺 雅志 (240)
言葉の溶流に抗して
──カール・クラウスの言語論── 古田徹也 (262)
カール・クラウスの翻訳論
──シェイクスピア『ソネット集』翻案を例に── 安川晴基 (280)
カール・クラウスの風刺的な世界劇場―パロディー
──『人類最後の日々』── エーベルハルト・シャイフェレ (305)
Ⅳ テクスト
カール・クラウスの未邦訳テクスト 八篇
──『ファッケル』創刊号から最終号まで── 河野英二編 (327)
『ファッケル』創刊号の巻頭言(1899年4月) (332)
十字勲章 (335)
言葉についてのアフォリズム (339)
ウィーン生活の一こまを夢に見る (349)
20年をけみして (356)
自分自身の巣を汚す鳥 (364)
30年をけみして
──虚栄の回顧── (373)
奴らの大事なもの(理解できる言葉で) (384)
Ⅴ 資料篇
カール・クラウス生涯年譜 (415)
カール・クラウス主要著作紹介 (437)
『ファッケル』年代記 (452)