お知らせ(『サブ・ローザ』読了――すばらしい!)
1~1件 (全1件)
|
1 |
『サブ・ローザ』読了――すばらしい! - 2012.01.23
鈴木創士「サブ・ローザ」読了__すばらしい! 2012年 01月 21日
鈴木創士氏には縦書きハードカヴァがよく似合う。
webで読んでる第一部がメインなんだろうと油断しているあなた、本の形で再読してごらんなさい。書き手の思考の速度に引きずられて、読み手もスピードアップする気持良さは、開きのいい単行本の形であるからこそ得られる。横組のwebでも内容理解はできるが、身体的読書の快楽は、単行本ならではのものである。書かれた言葉が読者の身体へと浸透する。
音を聴いているときの状態にも似た読書体験だ。彼は日本文学史上初めての、音楽の感じられる作家ではないかしら。クラシック・ファンの小説家は多いだろうが、作家の身体にしみ込んだ音楽性という面では、誰も鈴木創士氏には敵わない。近代文学に疎い奴の言うことだが、直感的真実って存在するの!
そして、ビート。彼の文体を特徴づけるものである。
ジグザグにヨタりながら(?)、読者を阿呆船に乗り込ませる魔術的レトリックの乱打__快楽には素直に負けましょうね。
「ルネッサンスについての若干の覚書」二篇が、今回、面白かった。
エートル叢書14巻/イヴ・ボヌフォワ「ありそうもないこと」が読んでみたくなった。
(現代思潮新社 2011初 帯 J)
1~1件 (全1件)
|
1 |