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お知らせ(言葉こそ人間-『ローザ・ルクセンブルク選集』 )

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ローザ・ルクセンブルク選集 2

 左翼の結束はなぜ乱れるのか。左ばかりで固まってては決して勢力は拡大しないとして、たとえば佐高さんなんか右にも声を掛けようとする。右も左も頑なで、あれじゃ「普通の」人間は厭がる、という人もいる。もっともなこともあるけど、でも違うんじゃないかと。
 今回ローザ・ルクセンブルクが盛んに注意を喚起してたのは、自派の日和見主義の駄目さ加減でした(ブルジョワ民主主義勢力はとっくに見限ってる)。そしてそれはマルクスもエンゲルスも指摘してたようですが、それでもうまくまとまらない。なまじ結束が成功すると、「一党独裁」の原理が勝って「人」が消えてしまう。この憾みは今だに解決の糸口が見えない。(いよいよ最後の場面が刻々近付いてくる。)

 

 

ローザ・ルクセンブルク選集 3

 いよいよ風雲急を告げ、で欧州から世界全体を巻き込む戦争へと。何かの映画で見かけた、世界地図が裏側から炙られて一部色が変り、と思ったらそこが炎で破られ一気に燃え上がる、一目でそれと分る仕掛けを思わせますが、ルクセンブルクもその渦中にいて、文章になった論稿なり発言ではあっても、当事者として他人(権力を操る者)の都合に否応なくこの身心を動かされてしまう悔しさと憤りとが、ドイツ社民党(当時)のあまりな体たらく(こちら「連合」の)とともに、百年の時間、地球半周分の距離が紙上で繋がって、ひしひしと伝わってきますね。

 

ローザ・ルクセンブルク選集 4

 同志リープクネヒトの不当逮捕(いつでも、どの国でも反動勢力は平然と)に対する激越な抗議の言葉、戦争終結(単に各国反動勢力のお家の事情に過ぎないとルクセンブルクは見切ってる)のあとのドイツ社民党の目に余る退廃堕落ぶりを、目から血の涙を流さんばかりに強く叱責する言葉、そして私達は予め知っている終息の時、ブレスラウ監獄でロシア文学論(なんだか愉しげ)と革命論(レーニン、トロツキーへの異議と信頼)を集中力を途切れさせることなく伝える言葉。一人の人間を潜り抜けてきた(精選された)言葉がこちらを暫し揺さぶってまた次へ。言葉こそ人間、とも。(5/25)
                                               岩崎保則(60歳)

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