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お知らせ(新聞)

評者は橘川武郎さん(東京理科大学大学院教授)です。

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椹木野衣さんに、ジョレス・A・メドヴェージェフ著『ウラルの核惨事』を紹介していただきました! (朝日新聞2017年7月2日読書欄

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評者は江口洋子さん(常葉大学外国学部講師・ブラジル現代文学)です。

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 http://www.asahi.com/and_w/interest/SDI2016120842321.html

歴史を学び、共有するきっかけに。『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』ほか

  • 文・松本秀昭
  • 2016年12月12日 
     

撮影/猪俣博史

 2016年5月24日、ヘイトスピーチ解消法が成立しました。この法がどれほど重要で、当事者たちがどれほど望んでいたか、理解している日本人はどれほどいるでしょうか? 今まで日本人は積極的に在日朝鮮人に対する差別の問題に関わることをせず、むしろ黙殺してきたと言えるでしょう。そのことによってヘイトスピーチやヘイトデモがまかり通る社会になってしまったのです。

共通して描かれる冷酷さや横暴さ
そして無関心

 今回お勧めするのは、『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』と『ヘイトデモをとめた街』。『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』は事件から3年後のインタビューに基づいたもので、3回にわたるヘイトデモによる襲撃、在日朝鮮人にとってけっして一筋縄ではいかない司法手続きの決心、十分な結果を得られなかった刑事訴訟、それに続く3年半にわたる民事訴訟での勝訴までが描かれています。事件や裁判の様子が記述される合間合間に、朝鮮学校や在日朝鮮人の歴史的経緯が織り交ぜられ、歴史的事実に関する自分の無知に気付かされます。

 『ヘイトデモをとめた街』は、多文化共生を実践してきた神奈川県川崎市桜本を主な舞台として、当時の現地でのリアルな声を伝えるとともに、ヘイトスピーチ解消法成立、そしてヘイトデモを中止に追い込むまでのドラマチックな展開を体感することができます。絶望的状況の中で確認された地域の強いつながりやそれを超えて集まった人々の輪、それが読後にすがすがしさと希望を感じさせてくれます。

 2冊に共通して批判的に描かれているのが日本の行政、警察、司法の一貫した在日朝鮮人への冷酷さや横暴さです。そして人権に対するそれら権力の鉄面皮を通して見えてくるのは私たち日本人の無関心。おそらく「無関心である」という事実にさえ私たちは気付いていないのではないでしょうか。というのも私たち日本人はマイノリティーである在日朝鮮人の気持ち、痛み、恐怖というものをまったく理解していないからです。脅威をあおるような北朝鮮のニュースが報じられるたびに、憎悪をまき散らす雑誌広告を見るたびに、緊張が走り、身の危険を感じ、周りの目が変に気になり、おびえている隣人たち。そんな存在をマジョリティーは普段意識することはないのではありませんか? 『朝鮮人はあなたに呼びかけている』(彩流社)の著者、崔真碩(チェジンソク)さんはその関係を「光のなかからは、影のなかが見えない。」と表現しています。

こんな状況を許しているのは、私たちである

 行政も警察も法が存在しないからヘイトデモに関して「何もできない」と言い訳をする場面は両書で繰り返し描かれます。刑事告訴で名誉毀損(きそん)を訴えるには「表現の自由」を理由に困難が伴います。差別が表現の自由であり犯罪扱いされない日本。当事者たちは「差別を取り締まる法さえあれば」と願いながら、ヘイトデモの発する罵声を前に何もできず、何もしてもらえず、ぼうぜんと立ち尽くします。こんな状況を許しているのはマジョリティーである私たちです。これはヘイトデモをする一部の人たちの問題ではありません。ヘイトスピーチとその規制の問題は私たちの社会に決定的な問題がある、落ち度があるという私たち自身の問題なのです。ヘイトスピーチ解消法はそんな私たちにとっても救いなのではないでしょうか。実際この法によって行政と警察の態度は一変し、「問題」は改善の兆しを示しました。

 1923年9月「朝鮮人を殺せ」と扇動し虐殺を起こしたこの日本の社会が、90年近くを経てまた同じデマと憎悪の扇動を繰り返しています。私たちはもう二度とこれを許してはいけません。そのためにも1905年の日韓協約に始まり敗戦にいたるまでの在日朝鮮人の歴史、そして敗戦=解放の後から今日に至る在日朝鮮人の歴史、それらを学び共有することはとても重要なことです。『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』『ヘイトデモをとめた街』はその歴史を学ぶきっかけになってくれるでしょう。

 

 

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                                   『山梨日日新聞』11月6日

 『秋田さきがけ』11月6日

                                     『高知新聞』11月6日

『岩手日報』11月6日

                                   『南日本新聞』11月6日

北原みのり氏の書評は下記の新聞にも掲載されました。

「東奥日報」「河北新報」「山形新聞」「下野新聞」「上毛新聞」「京都新聞」「山陰中央新報」「中國新聞」
「徳島新聞」「宮崎新聞」「熊本日日新聞」「沖縄タイムス」「琉球新報」「山陽新聞」(以上11月13日)
「新潟日報」(11月27日)
「長崎新聞」(12月4日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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             愛媛新聞(10月30日)、神奈川新聞(10月30日)、静岡新聞(11月27日)

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                                       『下野新聞』

 

                                         『山梨日日新聞』

 

                                                                     『神戸新聞』

                                            

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『佐賀新聞』(5月8日)『神奈川新聞』(5月8日)などに掲載されました。

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12月6日『西日本新聞』読書面

 

 

12月6日『上毛新聞』読書欄

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                                     配信:時事通信社

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                                配信:時事通信社

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『時代の正体-権力はかくも暴走する』の書評・紹介をまとめました。

ご覧ください。jidai.pdf

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                      『茨城新聞』9月20日読書欄

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                                       山梨日日新聞(5月22日)

 

 神奈川新聞(5月15日)

 

                        中部経済新聞(6月11日)

                           :共同通信社配信

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                                           11月9日朝日新聞・大阪本社版

                                     11月11日朝日新聞東京本社版

 

原爆投下直後に現地に入った元ソ連スパイについての詳細は『知られざる日露の二百年』157頁以下に書かれています。

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北國新聞』(4月14日)

 

富田武氏の同書評を下記の新聞が掲載。
沖縄タイムス』『福島民友』(4月20日(土))
山陰中央新報』『徳島新聞』『新潟日報』『琉球新報』『山梨日日新聞』(4月21日(日))
熊本日日新聞』『佐賀新聞』『愛媛新聞』『京都新聞』『福井新聞』(4月28日)
山陽新聞』『神奈川新聞』『信濃毎日新聞』(5月5日)
山形新聞』(5月12日)

 


沖縄タイムス

 


福島民友

 


山陰中央新報

 


徳島新聞

 


新潟日報

 


琉球新報

 


山梨日日新聞

 

 
熊本日日新聞


 

 
佐賀新聞

 

 
愛媛新聞

 

 
京都新聞

 

 
福井新聞

 


山陽新聞

 


神奈川新聞

 


信濃毎日新聞

 


山形新聞

 

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NHKラジオ「まいにちスペイン語」に紹介されました

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http://www.asahi.com/and_w/interest/SDI2016120842321.html

歴史を学び、共有するきっかけに。『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』ほか

  • 文・松本秀昭
  • 2016年12月12日 
     

撮影/猪俣博史

 

写真:『ヘイトデモをとめた街』神奈川新聞「時代の正体」取材班・著 現代思潮新社 1728円
『ヘイトデモをとめた街』神奈川新聞「時代の正体」取材班・著 現代思潮新社 1728円


 

 2016年5月24日、ヘイトスピーチ解消法が成立しました。この法がどれほど重要で、当事者たちがどれほど望んでいたか、理解している日本人はどれほどいるでしょうか? 今まで日本人は積極的に在日朝鮮人に対する差別の問題に関わることをせず、むしろ黙殺してきたと言えるでしょう。そのことによってヘイトスピーチやヘイトデモがまかり通る社会になってしまったのです。

共通して描かれる冷酷さや横暴さ
そして無関心

 今回お勧めするのは、『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』と『ヘイトデモをとめた街』。『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』は事件から3年後のインタビューに基づいたもので、3回にわたるヘイトデモによる襲撃、在日朝鮮人にとってけっして一筋縄ではいかない司法手続きの決心、十分な結果を得られなかった刑事訴訟、それに続く3年半にわたる民事訴訟での勝訴までが描かれています。事件や裁判の様子が記述される合間合間に、朝鮮学校や在日朝鮮人の歴史的経緯が織り交ぜられ、歴史的事実に関する自分の無知に気付かされます。

 『ヘイトデモをとめた街』は、多文化共生を実践してきた神奈川県川崎市桜本を主な舞台として、当時の現地でのリアルな声を伝えるとともに、ヘイトスピーチ解消法成立、そしてヘイトデモを中止に追い込むまでのドラマチックな展開を体感することができます。絶望的状況の中で確認された地域の強いつながりやそれを超えて集まった人々の輪、それが読後にすがすがしさと希望を感じさせてくれます。

 2冊に共通して批判的に描かれているのが日本の行政、警察、司法の一貫した在日朝鮮人への冷酷さや横暴さです。そして人権に対するそれら権力の鉄面皮を通して見えてくるのは私たち日本人の無関心。おそらく「無関心である」という事実にさえ私たちは気付いていないのではないでしょうか。というのも私たち日本人はマイノリティーである在日朝鮮人の気持ち、痛み、恐怖というものをまったく理解していないからです。脅威をあおるような北朝鮮のニュースが報じられるたびに、憎悪をまき散らす雑誌広告を見るたびに、緊張が走り、身の危険を感じ、周りの目が変に気になり、おびえている隣人たち。そんな存在をマジョリティーは普段意識することはないのではありませんか? 『朝鮮人はあなたに呼びかけている』(彩流社)の著者、崔真碩(チェジンソク)さんはその関係を「光のなかからは、影のなかが見えない。」と表現しています。

こんな状況を許しているのは、私たちである

 行政も警察も法が存在しないからヘイトデモに関して「何もできない」と言い訳をする場面は両書で繰り返し描かれます。刑事告訴で名誉毀損(きそん)を訴えるには「表現の自由」を理由に困難が伴います。差別が表現の自由であり犯罪扱いされない日本。当事者たちは「差別を取り締まる法さえあれば」と願いながら、ヘイトデモの発する罵声を前に何もできず、何もしてもらえず、ぼうぜんと立ち尽くします。こんな状況を許しているのはマジョリティーである私たちです。これはヘイトデモをする一部の人たちの問題ではありません。ヘイトスピーチとその規制の問題は私たちの社会に決定的な問題がある、落ち度があるという私たち自身の問題なのです。ヘイトスピーチ解消法はそんな私たちにとっても救いなのではないでしょうか。実際この法によって行政と警察の態度は一変し、「問題」は改善の兆しを示しました。

 1923年9月「朝鮮人を殺せ」と扇動し虐殺を起こしたこの日本の社会が、90年近くを経てまた同じデマと憎悪の扇動を繰り返しています。私たちはもう二度とこれを許してはいけません。そのためにも1905年の日韓協約に始まり敗戦にいたるまでの在日朝鮮人の歴史、そして敗戦=解放の後から今日に至る在日朝鮮人の歴史、それらを学び共有することはとても重要なことです。『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』『ヘイトデモをとめた街』はその歴史を学ぶきっかけになってくれるでしょう。

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